2015年8月6日木曜日

RAMディスク作成ソフト2種を比較

RAMディスクとは,RAM(いわゆる「メモリ」)をHDDやSSDのように使うために作成した仮想的なストレージのこと。SSDと比べても数倍高速に動作します。

この高速なストレージに一時ファイルや一部のプログラムを置くことで,PCの体感速度を大きく向上させることができます。
さらに,HDDなら断片化防止,SSDなら劣化の抑制にも有効です。

このRAMディスクを作成するソフトにも種類があり,物によって使い勝手が大きく異なります。ここでは,私が使用している2種類のRAMディスク作成ソフトを紹介します。
場合によって使い分ける必要があったりするので,何かの参考になれば幸いです。




一昔前までは32bit OSで利用できないメモリを有効活用する目的でよく使われましたが,ここでは64bit OS+大容量メモリの環境を前提にします。



   ◆

目次
1.比較するソフト
2.根本的な違い
3.メリット・デメリットで比較
4.こんな人はこっちを使おう!

   ◆



1.比較するソフト

バッファローラムディスクユーティリティー
USBメモリなどでもお馴染みなPC周辺機器メーカー,バッファローの提供するソフトです。
32bit環境でOS管理外メモリを活用する場合に限り,バッファロー(とそのOEM)製メモリを使用している必要があります。64bit環境の場合は制限のない完全なフリーウェアとして利用できます。

日本の大手企業が提供しているので,完全日本語で設定も簡単です。ただし,細かなカスタマイズが出来ない欠点があります。かつては数秒に1回のペースでログを更新し続けるバグ※1がありましたが,現在は解消されています。
※1無限にログファイルが増え続け,気が付くと数十GBのテキストファイルができていた。
ラムディスクでWindowsの限界を突破する | メモリーMAX増設で本当の力が目を覚ます | BUFFALO バッファロー
http://buffalo.jp/products/catalog/memory/speedup/ramdisk.html


SoftPerfect RAM Disk
海外製ですが,使い勝手がよく人気の高いソフトです。
公式サイトは英語ですが,ソフト自体は日本語で利用できます。

機能的に一見バッファローのものより全てにおいて優れていそうですが,実は大きな欠点があります。
SoftPerfect RAM Disk : high-performance RAM Disk for Windows
https://www.softperfect.com/products/ramdisk/



2.根本的な違い
使い分ける上で最も重要な違いは,出来上がるRAMディスクの性質です。

バッファローは搭載メモリのうち,OSの管理外にRAMディスクを確保します。そのため,Windowsからは作成したRAMディスク分搭載メモリが少なくなったように見えます。

SoftPerfectはOSの管理内にRAMディスクを確保します。Windowsからは搭載メモリ量は変わらず,作成した分常にメモリが消費されているように見えます。

つまり,メモリを8GB搭載して,そのうち2GBをRAMディスクを割り当てた場合
バッファロー:メモリ6GB(ただしメモリ消費量は変化なし)
SoftPerfect:メモリ8GB(ただしメモリ消費量が2GB増)
となります。



   ◆



大事なのは,SoftPerfectはWindows上にRAMディスクを作成しているということで,Windows起動時にRAMディスクを作成するようにしていても,場合によっては不具合が起こることもあります。
それに比べると,バッファローの方がより深いレベルでRAMディスクをコントロールしており,比較的不具合が起きにくいと考えられます。

実際,RAMディスク上にユーザーのTempフォルダを置いたところ,SoftPerfectではブルースクリーンになり起動することが出来ませんでした。(セーフモードにて復旧可能)
おそらく,セキュリティソフト等がRAMディスクを作るより早くTempフォルダを探しに行ったのでしょう。

一方で,バッファローの作ったRAMディスクはOSに管理されないため,休止状態から復旧したときなどに,RAMディスクのデータが破損状態になります。ただし,バッファローのソフト側でHDDにバックアップを取る設定にしていれば,基本的に問題ないようです。

OSに管理されるかされないか,一長一短ありますので,それぞれの利用状況に応じた選択が必要です。



3.メリット・デメリットで比較
バッファローのメリット
Tempフォルダを置いてもトラブルが起きにくい
メモリ消費量が正確に把握できる
導入や設定が楽
読み書きが他のソフトより高速(公式サイト参照)
バッファローのデメリット
バックアップ設定なしの場合,休止状態に入るとデータが壊れる(Windowsが正しくHDDにバックアップしてくれない)
設定できる項目が少ない
設定変更のたびに再起動が必要
作成できるRAMディスクは1つのみ


SoftPerfectのメリット
PCが休止状態などになってもデータが壊れたりしない
細かな設定ができる
再起動等せずにRAMディスクの作成や設定変更ができる
複数のRAMディスクを作成できる
SoftPerfectのデメリット
Tempフォルダなどを置くと不具合が起きる可能性がある(起動してすぐ必要になる用途には向かない)
メモリ消費量がRAMディスク分多く見えるので,正確な値が把握しづらい
公式サイトが英語であるなど,人によっては導入しにくい



4.こんな人はこっちを使おう!
バッファローを使うべき人
休止状態を使わない
Tempフォルダなど,起動直後に必要になるものを置きたい
タスクマネージャなどで正しいメモリ消費量を確認したい

SoftPerfectを使うべき人
休止状態を使う人(ノートPCの電池切れ自動休止や,一部機種のスリープと同時にHDDにメモリをバックアップする機能※2を含む)
※2 スリープ並みの速さで復帰できるのに,消費電力は休止状態並らしい。VAIO Duo 11に搭載されていた。
複数のRAMディスクを作成したり,状況に応じで容量や設定を変更したい人


RAMディスクを完全な一時領域として使う場合,休止状態からの復帰でデータ破損は致命的なので,ノートPCで度々電池切れになるような使い方をするならSoftPerfectを妥協してでも使う方がいい。一方で,シャットダウン時などにバックアップして,HDDなどと同様にRAMディスクを扱いたい場合はどちらでも構わない。

休止状態を使わず,SoftPerfectの細かな設定も特に必要ない場合はバッファローがベター。気持ち転送速度も速いらしい(RAM自体が早すぎてさほど違いは分からないが)

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