2015年5月23日土曜日

古いノートPCの活用法は?

「古い PC 活用」などで検索すると,UbuntuやAndroid,Chromium OSなどのLinux系OSに入れ替えて使おう,というサイトが多数ヒットします。


実際に,私もUbuntuの派生であるLinux MintをXPパソコンに入れたりしていますが,そろそろWindows 7機が「古いパソコン」になってしまったという人もいるのではないでしょうか。

特に,かつてブームになったネットブックやUMPCは末期ではWindows 7 Starterが乗っていましたね。
(Starterに相当するWindows 10のバリエーションは存在せず,そのままで10にアップグレードできるかは不明だが,できなくてもあと5年近く延長サポートで使い続けられる)

更に,Vista世代の後半くらいからPCの進化速度は鈍化を始め,初代ノートPC向けCore i5搭載機なら,単純なスペックで言えば最近の廉価モデルより高性能だったりします。

そのようなPCで,制限が多く,使い慣れてもいないLinuxを使うメリットは薄れているように思います。Windows 10でサポート切れの心配もなくなりましたしね。



Linuxの欠点
ノートPCの場合,メーカー独自の機能が多く搭載されています。
そのようなものは一切不要,という人もいますが,きっちり使いこなせば便利なものも多いのが実際で,HDD保護や各種オリジナルボタン,高画質・高音質技術,バッテリー劣化防止機能などは意外に便利です。
Linuxにしてしまうと,これらの機能は基本的に使えなくなる上,メーカー独自のドライバで動いているハードウェアは本来の性能を発揮できなくなることもあります。

また,使えるソフトの制限も多く,ネットで動画をみるのにもSilverlightを使ったサイトを見れなかったり,Microsoft OfficeはもちろんWindows付属の使い慣れたソフトも使えなくなります。一般のフリーソフトなどもWindows版しかないものが多い状況です。
それなりの知識があれば代替ソフトを探すこともできますが,完全な代替のないものもあり,また探すにしてもそう簡単には行きません。

操作感もかなり異なるため,慣れるまでは一苦労で,トラブルが起こった時も,やっぱりそれなりに知識がないと解決できなかったりします。


最近のLinuxは確かに使いやすくなったのですが,それでもWindowsとは全く異なるOSです。Linuxにしても今までと同じ使い方ができるとは思わないことです。


そう考えると,折角数万円もするWindowsが搭載されているのに,Linuxにしてしまうのはもったいないです。Vistaは近くサポートが切れるので,今から乗り換えておくのもいいかもしれませんが,運良く7が入っているなら10に更新して使い続けてやりましょう。
※Starterがアップデートできるかは今のところ不明




古いPCが使い物にならなくなる理由
Vista末期以降の古いノートPCが遅く感じるのは,メモリ不足による問題が多いはず。
さすがに初期のシングルコアAtomでは限界がありますが,デュアルコア以降ならスペックの低いCPUでも結構な動きをします。

しかも,ネットブックの多くはスペック上メモリ増設不可となっていても,実際は分解してメモリの差し替えができる場合がほとんど。

複数古いPCがある場合などは,メモリの割り振りを見直すことで復活するPCが幾つか出てくるかもしれません。また,多少の投資をして新たにメモリを買ってもいいでしょう。

元々3万円以下のネットブックや格安ノートにお金を掛けたくないという人もいるかもしれませんが,数千円で見違えるようにサクサク動くなら,費用対効果はかなり高いと思います。そもそも,格安大画面ノートは買った後メモリを付け足すところまでを計算に入れて買うものです。

ちなみに,メモリ搭載量は4GBがおすすめ。32bit OSやWindows 7 Starterではメモリの使用可能量に制限がかかりますが,RAMディスクを作成して,そこにページファイルを置くことで擬似的にすべてのメモリを使い切ることができます。

古いDDR2メモリでは2GBくらいまででないと手に入りにくいですが,元々1GBのネットブックなどでは2GBにするだけでもかなり効果があります。

メモリ不足が解消すれば,それだけで普通のノートPCとしてまだまだ使えるレベルになるかもしれません。

※メモリが4GBでCPUがデュアルコアなのに,Web閲覧などの日常的な利用すら遅く感じる場合は本体性能以外の理由で遅くなっている可能性があります。内部のホコリ清掃とWindowsの再インストールをしてみるといいでしょう。




Linuxはどんなときに必要?
Windows 7以降搭載の大画面ノート・モバイルノート(ネットブックを除く)には必要ありません。
Windows 10へ無償アップデートができる上,メモリが2GB以下の場合は大抵メモリスロットが1つ開いており,低予算で4GBまでメモリを増やすことができます。モバイルノートは空きスロットがない場合やそもそも完全にメモリ交換ができない場合もあります。

ネットブックや,メモリが2GB以下で交換できない場合はLinuxが選択肢に入ります。
7 Starterが10にアップデートできるなら,ネットブックにもLinuxは要りません。Starter独自の機能制限もなくなり,サポートも永久に続くのにメモリ代数千円をケチってLinuxを使うメリットはありません。アップデートできなくても,5年近くサポートが続くことを考えればメモリを強化して使い続ける価値はあります。
ただ,メモリ増設ができない場合はWindowsが苦しいことも多いでしょう。1GBで増設できない場合は迷わずLinuxへ。2GBあれば軽い用途なら使えます。起動直後とWindows Updateが動いているあいだ実質操作不能になるところだけ我慢すればOKなので,スリープメインで運用すれば一応使えます。
ネットブックはメモリスロットが1つしかない機種が多く,規格も古い場合があるのでコスト的に高過ぎると思ったらLinuxへ。




まとめ
Windows XP搭載PC
→Linuxへ。
VistaのAeroが動かないグラフィック性能なら,Linux Mint MATE版やLubuntuなどの軽量デスクトップ環境がおすすめ。
Linuxといえどメモリは最低512MBくらいほしいので,あまりにもメモリが少ない場合は増設を。(規格によっては中古のジャンク扱いなどで格安)


Windows Vista搭載PC
→Linuxへ。
Aeroが動かないスペックならLinux Mint MATE版やLubuntuなどの軽量デスクトップ環境。Aeroが動くスペックならLinux Mint Cinnamon版やUbuntuなどハードウェアアクセラレーションを使うデスクトップ環境のほうが場合によっては体感速度が上がります。


Windows 7搭載PC
メモリが1GBで増やせない(ネットブックはそう書いてあるだけで増やせることが多い)
→Linuxへ。

CPUが初期のAtomなどシングルコア
→Linuxへ。

ネットブック
Windows 7 StarterがWindows 10にアップデートできる場合
→メモリ交換でWindows推奨
Windows 7 StarterがWindows 10にアップデートできない場合
→7のサポート期間も考え,メモリ交換のコストが高いと感じたらLinuxへ。

その他のノートPC
→Windows推奨。可能ならメモリ4GBに。2GBでも使えなくはない。




というわけで,CPUが2コアでメモリが2GB乗っていればWindows 7やWindows 10が十分動き,Linuxにするメリットはあまり無いでしょう。
メモリが少ない場合は,2GB以上に増設してWindowsを使うほうが懸命。4GBあれば快適です。

Windows 10にアップデートが出来ず,サポート期限に問題がある
CPUがシングルコア
メモリが2GB以上まで増やせない
これらに当てはまったらLinuxの出番です。
ただ,あまりに古いものはLinuxにしたところで動画視聴などもできず使い道はほぼ無いでしょう。

基本的に,LinuxはWindowsのサポートが切れたら使うものという認識で良いと思います。
XPマシンや,近いうちに使えなくなるVistaマシンにはどんどん導入していきましょう。

一方で,実質サポートの切れないWindows 7マシンは軽量化目的でLinuxにするのはおすすめしません。



繰り返しますが,LinuxはWindowsとは全く異なるOSです。普段使いをしたいなら,Webベースで使うなど割り切った使い方が求められます。Windowsの代わりになるものでは無いということは覚えておいてください。

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